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菊の仕立て方/大菊



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三本仕立て   一本仕立て   七本仕立て   千輪作り  
競技用切花   ダルマ作り   福助作り  


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三本仕立て

 盆養とも言い、大菊の最も基本的な仕立て方です。1本の苗を摘芯して3本の枝を伸ばし、後の1輪を花の2/3位高く、前の2輪は同じ高さに、三つの花を同時に、 同じ大きさに揃えて、出来るだけ巨大輪に咲かせ、茎・葉を含めた全体が調和を保つように育てます。

 12鉢花壇は、一人の作者が赤白黄各4鉢、12種類の鉢を同色が斜めに並ぶように配置展示するもので、大阪附近から西の地方で盛んです。 花の大きさを揃え、各位置ごとに予定どおりの高さに育てるには高度の技術が必要です。関東地方などでは、1鉢の優秀を競うのが主体です。

三本仕立て12鉢花壇

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一本仕立て

  一鉢に1本の茎を伸ばし一花だけを咲かせます。一鉢では淋しいので普通は一列づつまとめて飾りますが、一本仕立ての部を設けている菊花展は少なく、 名古屋城や新宿御苑などが見事です。

厚物系の
1本仕立て花壇

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七本仕立て

 1本の苗を2回摘芯して七本の枝を伸ばし、中央の花を高く、外側の花が低くなるように、全ての花がよく見えるように仕立てます。 北陸地方で盛んに作られており、一鉢でも十分な存在感があって豪華です。
一文字咲きの
七本仕立て
各花を少し手前に倒して、全部の花が見えるように仕上げてあります。

一文字の
七本仕立て
7個の蕾を同時に、同じ大きさに咲かすのが難しいところです。

育成中の7本仕立て

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千輪作り

 1本の苗を何回も摘芯をくり返して枝数をふやし、半球形になるように花を並べて咲かせる仕立て方です。

 前年の秋に挿し芽した苗から出た冬至芽を育てて一年かけて300輪咲かせるのが普通ですが、二本松市の斉藤弘さんは7人の仲間と研究会を作り、 2年がかりで1本の苗から確実に2,000輪以上咲かせる技術を確立しています。

二本松の2000輪を超す千輪作り

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競技用切花

 より大きく、より花型の良い花を競う菊花大会出品用の作り方で、一回摘芯したあと一本仕立てとして強力に肥培して草丈2m位のたくましい茎葉に貯蔵養分をたっぷり貯えさせて開花させます。 茎葉の姿にはあまり気を使わず花だけに集中する競技専用なのでケンカ花と呼ぶ人もいます。

切花競技
左:厚走り 右:一文字 厚物(白・黄)
厚物三花組

 見事な花を3輪揃えるだけでも大変なのに、北陸など、5花組競技をしているところもあります。
 草丈が2mともなると脚立にのって手入れします。
生育中の切花競技用菊

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ダルマ作り

 三本仕立てより一ヶ月遅く挿し芽して7号鉢に定植し、Bナイン(矮化剤)を使って草丈を60p以内に仕立てる小型の三本仕立てで、 全体が丸っこくダルマのような形なのでこの名がつきました。鉢が軽く場所をとらない、乗用車で運べる、などの利点があるため人気があります。

ダルマ作り

 花弁の乱れを直した後、良い花型のまま落ち着くように、花の上にのせる「花直し皿」です。 固く絞った濡れ布巾をかけた上に載せるのが本式です。
花直し皿

 9月4日の生育目安。この頃、最後の乾燥肥料(止肥)をやる。

ダルマ作り
 蕾を1個づつに選定した状態。草丈50cm位が目標。

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福助作り

 三本仕立てより2ヶ月遅く7月上旬に挿し芽して5号鉢に植付け、Bナインを使って草丈を40p以内に仕立てる一本仕立てです。 開花は大鉢と同時期に同様の巨大輪が咲きます。頭でっかちの姿が福助人形を連想させるので福助の名がつきました。 せまい場所でも作れて短期間で開花し、テーブルに飾ったり、気軽に友人にプレゼントできるのも魅力です。
福助作り

育成中の福助にキクマットをつけた状態
 キクマットの遠赤外線効果によって生育が促進されます。

8月末の生育状況 9月初旬の生育状況
福助作り育成状況
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