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カ ワ ウ ソ



所在地:地域を定めず(主な生息地:高知県、愛媛県)
指定の経緯:
 昭和39年(1964) 6月27日天然記念物指定、40年(1965) 5月12日特別天然記念物指定(基準:動物(2))


カワウソ
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 指定されているのはニホンカワウソ。哺乳類のイタチ科に属し、水棲生活に適応した唯一の大型半夜行性動物。河川や海岸付近に生息し、水辺生態系の最上位にいる。

 カワウソは、アジアからヨーロッパにかけて広く分布。わが国では、本州以南にユーラシアカワウソの日本本土亜種、北海道に北海道亜種が生息し(生息していたとされ)、 アジア大陸とつながりのあることを示す「生きた化石」。両亜種とも日本固有のものだが、別種とする説もある。

 ニホンカワウソは、頭頂が平らで目と耳が小さい。手足は短く指の間に水かきがある。頭胴長58cm、尾は付け根が太く先が細くて45cm、体重8kg。 体の色は背中が黒褐色、腹面が灰褐色。歩行するとき尺取虫のように背中を丸め、それから体を伸ばす。北海道亜種は、若い個体の特徴しかわかっていない。

 魚・エビ・カニ・カエルなどを捕食し、アユ・ウナギが好物とか。単独で行動し、多くの餌を必要とするため行動範囲がかなり広い。 夜行性とされるが日中も活動する。出産の時期は一定していない。寿命は10〜20年。

 生きた姿が最後に確認されたのは、1979年に須崎市の新荘川である。以後、それらしき目撃情報があつたり足跡や糞の痕跡が発見されたりしていることもあって、 わずかながら生き残っている可能性があるというものの、すでに絶滅してしまったのではないだろうか。北海道では、1950年代に知床で捕獲されたのが最後。


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