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狩宿(かりやど)の
下馬(げば)ザクラ



所在地:静岡県富士宮市狩宿
指定の経緯:
 大正11年(1922) 10月12日天然記念物指定、昭和27年(1952) 3月29日特別天然記念物指定(基準:植物(1))


狩宿の下馬ザクラ
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 鎌倉幕府を開き征夷大将軍になった源頼朝が、その翌1193年、大いに武威を誇示しようと朝霧高原で「富士の巻狩り(野生生物を四方から遠巻きにして行う狩り)」をした。 そのとき、広大な富士の裾野を埋め尽くした十数万騎の騎馬武者の陣屋になった土地に「狩宿」という地名が付けられた。富士山麓の南西方向。

 頼朝の本陣が置かれたのは今に残る井出館で、その門前にあって頼朝が愛馬をつなぎ止めたと伝えられるのが「下馬ザクラ」。「駒止めのサクラ」「駒繋ぎのサクラ」の別名がある。 ヤマザクラでは日本最古ともいわれる赤芽のシロヤマザクラで、樹齢1,000年を超える。個人の所有物。

 かつては幹周り8m、枝張り東西22m・南北30m、樹高35mの見事な樹形をした巨木であったというが、度重なる台風などで損傷したため幹周り4.6m、樹高14mになり、 往時の雄姿は想像できない。

 現在の木は2代目か3代目ではないかともいわれる。数本のひこばえが生長している。

 4月中下旬の開花期には花房4.5cm、花径3cmの大きな花を咲かせ、風格を漂わせる。花の色は、はじめは淡紅色で次第に白くなる。 満開に合わせて祭りが行われにぎわう。


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