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オビカレハ

Malacosoma neustria


オビカレハの終齢幼虫

 カレハガ科。日本全国に分布。春、サクラやウメの枝の股のところに、テントのように糸を張って群がっている毛虫がよく見られます。 これがオビカレハというガの幼虫で、そうした習性からテンマクケムシまたはウメケムシとも呼ばれています。年1回発生し、卵で越冬し、 幼虫は3〜4月の発芽前に孵化します。幼虫の成長にともなってテントの規模も大きくなりますが、やがて集団生活を解消して単独で行動するようになります。 老熟幼虫は体長60mm内外に達し、5〜6月に食樹の葉や付近の石塀などに黄色のマユを作ってサナギになります。2週間くらいで成虫が羽化し、 食樹の細枝に卵を指輪上に生みつけます。食性の範囲は広く、サクラやウメのほか、モモ、リンゴ、ヤナギ、バラなども加害し、 一般家庭の庭でも普通に見られます。カレハガ科の仲間には前述のマツカレハのように有毒の種類もありますが、この毛虫は無毒で、毛も柔らかく安全です。 ただ、たくさん群がっている光景が歓迎されず、刺さない毛虫のなかでは格別に嫌われている毛虫です。

オビカレハの卵塊

オビカレハの卵塊

オビカレハの中齢幼虫のテント

オビカレハの中齢幼虫のテント



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