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Vol.13 No.7 【特 集】 気候変動と農業 |
| 地球温暖化影響調査レポートについて | |||||||||
| 農林水産省 農産局 農業環境対策課 神 朋哉 | |||||||||
| 2023年および2024年の夏は記録的な高温であり,多くの農作物に影響があった。農林水産省では,毎年度,都道府県(以下,県)の協力を得て「地球温暖化影響調査レポート」を取りまとめており,水稲の白未熟粒の発生,果樹の日焼け果などの影響を取りまとめている。
地球温暖化の影響を回避・軽減するためには,高温耐性品種の導入や果実への被覆などの適応策の取組が重要となるが,具体的な影響や適応策については,2024年9月に「令和5年地球温暖化影響調査レポート」,夏の特別版として2025年3月に「令和6年夏の記録的高温に係る影響と効果のあった適応策等の状況レポート」を公表しているため,これらレポートを活用していただき,温暖化に伴う影響を回避・軽減する一
助になれば幸いである。
(キーワード:地球温暖化,高温,適応策,高温耐性品種,水稲) |
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| 水田から排出される温室効果ガスの抑制 | |||||||||
| 農研機構 農業環境研究部門 常田 岳志 | |||||||||
| 水田はコメの安定供給や環境保全に貢献する一方, (キーワード:温室効果ガス,イネ,水管理,低メタン品種) |
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| 最近の高温耐性水稲品種の育成状況 | |||||||||
| 農研機構作物研究所 松下 景 | |||||||||
| 近年の気候変動による高温の影響で,水稲では (キーワード:育種,気候変動,高温耐性品種,白未熟粒,水稲) |
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| 高温耐性に優れるミニトマト品種「キャロルポポ」と「ロイヤルパッション」の育成とその特性 | |||||||||
| 株式会社サカタのタネ 君津育種場 岡田 佳丈 | |||||||||
| 夏の高温化によりトマト栽培は年々難しくなり,生産者は十分な収量を安定的に上げることができていない。特に,ここ数年は全国的にも秋口(9・10月)におけるトマト出荷量が少なくなる傾向にあり,市場価格にも大きな影響を与えている。この時期の収量を上げるためには品種特性として,高温環境下での草勢の安定性,着果性,果実肥大性,耐裂果性を有する必要がある。これらの形質をもつ高温耐性品種として,夏秋栽培向けで「キャロルポポ」,抑制栽培向けでトマト黄化葉巻病(TYLCV)耐病性「ロイヤルパッション」を育成した。 (キーワード:ミニトマト,高温耐性品種,高温着果性,果実肥大性,耐裂果性) |
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| 果樹における高温障害の適応策 | |||||||||
| 農研機構 果樹茶業研究部門 杉浦 裕義 | |||||||||
| 気候変動による温暖化が果樹生産に与える影響は多岐にわたり,夏期の高温は果実の日焼けや着色不良を引き起こし,果実品質を低下させる。カンキツやリンゴ果実の日焼けは,高温と直射日光が原因のため,これらを防ぐ遮光資材による被覆は有効である。一方,果実の着色不良は着色期の高温や光環境,低糖度が原因で,着色を促進するためこれらを改善する各技術が導入されている。さらなる温暖化に対応するために,気象庁の長期予報を活用し,事前準備や効率的な管理を行うことが重要である。 (キーワード:果樹,気候変動,温暖化,果実の日焼け・着色不良) |
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| 4パーミルイニシアティブの考え方に基づいた 都市緑地や農地における炭素貯留の実践 |
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| 本研究は,千葉大学松戸キャンパスを拠点に,都市緑地における炭素貯留の実証的取り組みを行ったものである。剪定枝を再資源化したウッドチップや無煙炭化器で作成したバイオ炭を花壇や圃場に施用し,雑草抑制や土壌物理性の改善,炭素貯留量を定量的に評価した。さらに地域住民との連携や政策との接続可能性も検討し,都市型カーボンファーミングの展開可能性を示した。 (キーワード:炭素貯留,4パーミルイニシアティブ,ウッドチップ,バイオ炭,都市緑地管理) |
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